[38150] コードギアス 追憶のエミリオ intermission 配備 |
- JIN - 2018年05月04日 (金) 00時15分
ウクライナ南部方面軍総本部。
開けられたコンテナから姿を見せた、威容のKMFを見上げる青年三人。
「ほう。これが噂の『ベロボーグ』かい」
「ああ。旧ユーロピアの技術部門の一つが開発していた一機種をようやく完成させた物らしい」
「それを議長閣下がこちらにってわけかい。大丈夫かよ。あっちの方は?」
「問題ない。あちらにも最低一騎は回ってるはずだ」
「するとこっちは二号機ってわけかい。ユーリィ?」
「かもな。とにかくだ。レオン。これを使いこなせるのはウチでも君しかない。各種装備との相性を早急にテストしてくれ」
「分かった。それにしても偉くゴテゴテしてるな。このオプションの山は」
「まあな。とにかく当時のユーロピアがあのオリジナルのランスロットにも匹敵するスペックの塊を意識してやったそうだからな」
「技術だけならば当時のユーロピアはブリタニアにも決して負けてなかった。いやある意味では凌駕すらしていた。あのアレクサンダを見ても分かるだろう」
「問題は運用法と人材だったんだろう。分かってるよ。しかし…」
「どうした。レオン?」
「名前が気にいらねえな。『善神様』なんてガラじゃねえよ。コイツは。むしろ『チェルノボーグ』の方が似合いそうだぜ。アレク」
「おいおい。そんな名前を付けるわけにはいかんだろう」
「分かってるよ。そんな事」
その時。
「アニキー!!」
格納庫に響き渡る快活な声。
振り向く三人。
「ルドミラ?」
呼び掛けるまもなく、中心の男の懐に飛び込む一つの影。
「へへへ」
「おいおい」
思わず顔を綻ばせる三人の男たち。
その三人に向かって、飛び切り元気な笑顔を向ける少女。
そしてその笑顔を上にして。
「これが!? これが噂のアニキの機体!?」
「そうだ。レオンに任せる『ベロボーグ』だ」
その説明に顔をしかめる少女。
「えー。せっかく凄い機体なのに。つまんない名だなあ。どうせなら『チェルノボーグ』にしろよ。アニキ」
それを聞いて思わず顔を合わせる三人。
やがてクスクスとし始めて大笑い。
「な、なんだよ。みんな?」
当惑気な少女。
やがてその頭にそれぞれの手を乗せて、クシャクシャとやり始める三人。
いかにも楽しくて仕方がないとばかりに。
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