[38139] コードギアス 戦場のライルB2 BERSERK-29『ギアス…後編』 |
- 健 - 2018年04月26日 (木) 16時55分
資料の人物をライルは知っていた。金髪に緑の瞳の美しい少年……正確には彼と同じ容姿の人物をだ………
「オルフェウス…ジヴォン……」
『グリンダ騎士団』のオルドリン・ジヴォンと見紛うほどの容姿。全く同じ容姿と名字……考えられるとすれば、答えは一つしかない。
「双子?」
貴族の間で双子は凶兆とされている。一人を手放すしかないのだ。おそらく、ジヴォン家の先代当主オリヴィアは双子を産み、オルドリンを選んだ。女系貴族のジヴォン家ではそれが当然だ。そして、オルフェウスの方は何かの理由でこの組織に渡り、被研体か何かでギアスを得たのだろう。グレイブに頼んでブリタニアの外にまで情報を調べて貰った結果……組織のトップも分かった。
やはり、皇帝陛下もこの組織と何か関わりを持っている?しかも、組織のトップは………
あのV.V.という少年………そういえば、『プルートーン』が関与しているという予算流出。この少年も何らかの形で?
だが、ライルは考えている内に恐ろしくなった。自分が何か、大きなものに足を踏み入れてしまったのではないか、と。
有紗達にまで火の粉が飛ばないためにも…これ以上は危険か?
しかし……既に遅かった。
「そうか……あやつはそこまで知ったのか。」
「はい…どうやら、私も改めて覚悟を決めねばならぬようです。」
レイシェフは皇帝に謁見していた。前々からあった可能性がいよいよ現実のものとなってきた。
しかし、レイシェフは心のどこかでライルには親しみを感じていた。それはおそらく…彼の側にいる女性が原因だろう。
せめて……その後の世界で巡り会うことを祈ります。
あの時の後悔は今もある。首謀者の両親を今でも憎んでいる……殺しても殺したりないほどに。だが、だからといって両親が紹介したヴィオラを憎んではいない。筋違いなのを分かっているからだ。
もう生身で会うことは出来ない。だから、レイシェフはその計画に乗った。
「ねえ、レイ。」
「何?」
有紗の質問した顔がなにやら不安そうに見えた。なんだろう?
「ライル様……何かをかくしているのかしら?」
「やっぱりそう思う?」
そう、ここのところライルは何かを隠しているような気がした。何なのかは分からない。
「でも……隠しているとしたら、どうして?」
レイの疑問に有紗が答える。
「多分……凄く恐ろしいものを調べているんじゃないかしら?だから…」
「私達に火の粉が飛ぶのを防ぐため?」
そう、レイもまだ一年程度しか仕えていないが…あの愚直さはよく知っている。その愚直さを貫くにはあまりにも優しく、脆いことも。
その弱さを一番見ているのはおそらく有紗……付き合いが最も長いフェリクスやクリスタルにさえ、おそらくライルは見せていないだろう。
でも…私だってライル様のことは………
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