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お気楽極楽なSS発表会

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[38116] コードギアス 戦場のライルB2 BERSERK-28『俗事…前編』
健 - 2018年04月11日 (水) 22時46分

ライルは皇帝に謁見をしていた。内容はシェールのことだ。あの後、ライルの軍どころか母親同士の仲が悪かったエルシリアとセラフィナにも何かしようとしていたことが発覚、更にはライルがイレヴンを起用するようになったのはシルヴィオがライルに悪い影響を与えたなどと吠え、あまりの醜悪さに周囲の貴族達は呆れかえっていたという。味方をしてくれそうなライルにも血の繋がりさえ嫌悪されていた。

「皇帝陛下……先の我が母による暴挙、息子の私がいかような裁きも受けます。しかし、どうか私の部下達につきましてはご慈悲をお与えいただきたく…」

「良い…些末なことよ。」

些末?皇族同士のこんな謀略が……母親が企てたのだから息子のライルにだって飛び火が来る。だから、最悪有紗を始めとした全員の生活と安全だけでもと皇帝に願った。それを…

「お前は自らの手で母の暴挙を止めた……肉親の情などというものに縋ってくる愚か者の母をな…」

愚か者…仮にも自らに嫁いだ者をそう切り捨てるとは……が、ルルーシュやナナリーを……ユーリアを切り捨てたこの男ならば言いかねない。

「あれのことについてはお前に任せる…儂には他に大事なことがあるのだ。」

「……陛下、陛下はゼロの動きをご存じなのですか?」

またも同じようなことを言う皇帝の真意を疑い、ライルはゼロについて問う。だが…

「シュナイゼルに任せてある…お前や『ラウンズ』とて遊んでいるわけではあるまい?」

『俗事』などにかまけている暇は無い、と言いたい訳か。

結局、この件はライルが全て預かることとなった。母シェールは幽閉されることとなり、母の実家が所有する全ての財産は息子のライルが接収、カジノの売上金は全てライルの部下や連れてこられた者達の当面の生活費に充てられた。

これを甘い、と非難する声もあったが……各エリアの総督の監督不行届と本国側の検閲の怠慢をライルは指摘、しかもエルシリア達が被害に遭うところであった点もあったために強く糾弾できなかった。



ライルが出て行った後、玉座の脇からレイシェフ・ラウ・ヴァリエールが現れた。

「本当によろしいのですか?」

「構わぬ……あやつは既に遺跡を嗅ぎつけておる。兄さんが声をかけた以上は捨て置けぬ……」

しかし、シュナイゼルよりも先に嗅ぎつけるとはな、ライル。

シャルルはライルを甘く見ていた。せいぜい嗅ぎつけるのはシュナイゼル以外ならば奴だと思っていた。しかし……

「レイシェフ、俗事はお前とビスマルクに任せる。優しい世界のためにもあやつを…」

「イエス・ユア・マジェスティ。」



レイシェフ率いる『セントガーデンズ』の基地……赤髪の美青年が本を読んでいた。クレス・ローウィング………イレヴンとブリタニア人のハーフであり、ブリタニア育ちであったがエリア11成立によって一転…ブリタニア人の父によって引き取られたが、イレヴンの血を理由に迫害されていた。父も病死し、クレスは生活費のために軍に入隊した。そこでも同様の扱いを受けていたが、その資質を見込んだレイシェフに取り立てられ、『セントガーデンズ』のエースとなっている。

「何を読んでいるんだ?」

後ろから中年の男が声をかけた。ドウェイン・ラン・デルヴィーニュ……レイシェフの古い友人で、『セントガーデンズ』の指揮官だ。KMFの実力も『ラウンズ』に抜擢されてもおかしくないほどの実力者だというが、敢えてレイシェフの指揮下に入っている。

「歴史小説です…」

「そうか………レイシェフは陛下の元へ?」

「はい…」

レイシェフ………本当にそれで良いのか?

「そうか……」



デルヴィーニュはレイシェフのことをずっと気にかけていた。彼は知っている……彼を襲った悲劇のことを。

家の立場上ではデルヴィーニュはレイシェフの臣下だ。だが、遊び相手でもあった彼はいつしかレイシェフを弟として愛し、レイシェフもまた兄のように慕っていた。

彼が妻を娶った時、デルヴィーニュは心から祝福した。だが……本家の者達はそれを許さなかった。

皇帝陛下のお力を借りて、娘を遠ざけた。その結果が…



自室で一休みしたレイシェフに一人の女性が紅茶を入れた。気品が溢れる美女だ。ヴィオラ・アールバリ。あの後、両親があてがった妻の候補だ。だが…レイシェフは一介のメイドに留めている。

「あの…本気ですか?」

「……君命だ。私に選ぶ権利はないし、そう決めている。」

違う……私が聞きたいのはそういう意味じゃない。

「奥様のことは知っております…でも、もうご自分を許しても…!」

そう思っている。そして…

親の決めた結婚だけど……本気で愛している。でも、この人は…!

彼の心は未だに亡くなった妻のものだ。自らを責め続けているのは分かる。そして…彼の娘が今、どうなっているのかも。



幼い外見の少女がKMFのシミュレーターで訓練をしていた。アリア・フローベル……『セントガーデンズ』のエースパイロットの一人であり、レイシェフが保護者となっている。彼女は幼い頃の記憶を事故で亡くし、路頭に迷っていたところを丁度妻子を失ったレイシェフが保護者を買って出たのである。彼女は全て聞かされている……皇帝とレイシェフが荷担している計画も…突飛ではあるがそれに縋っていた。

「お父さん、お母さん……もうすぐ、会えるから。」

それが彼女の原動力であった。そのためなら、どんな非道だって…悪魔にだってなってやる。



[38117]
健 - 2018年04月11日 (水) 22時49分

今日は『セントガーデンズ』が二人追加です。年齢的にはヴィオラが20台半ば、デルヴィーニュは40台です。

JINさん

また色々ときつい評価ですね……後、ライルが後悔するというのは普通とは全く違う意味です。

そして…ここまで来たらライルはもう自分と母の血の繋がり自体を認めたがらないでしょう(結局、ルルーシュ同様母を唾棄する結果に)。

[38118]
Ryu - 2018年04月12日 (木) 23時16分

このままシェールは性格的に何も変わらず物語からフェードアウトする感じですかね。

仮に何かの機会で出てこられても今更どうすんの?な彼女でありますが。

兎にも角にも本国での騒動も終わって、そろそろ超合衆国成立からの対決になる感じかなと。

最近出てないシルヴィオやエルシリア達の様子も気になりますが。

[38119]
JIN - 2018年04月14日 (土) 13時49分

以前にも言いましたが、自分としてはライルがいくらどんな過去や苦悩を抱えていようが「戦場で気晴らし」「相手が役不足」などと言ってる限りは完全批難かつ絶対否定の存在なんですよね。

それこそ「おまえの苦悩なんか知ったことかそんなもん!」で。

だから自分の一番の関心はあくまで、このふざけた「本当の苦労知らずの**(確認後掲載)」を目覚めさせるには、それこそ部下や女どもの半数が死ぬくらいでなければ駄目かなって。

それこそ今度こそ目の前で思い切り惨たらしくってくらいに。

そして同時にお望みどおりの強敵に「一歩も触れられないくらい思い切りにズタボロのメタクソに叩きのめされ」た上で。

はっきりいって自分としてそれ以外は全くもってどうでもいいんですよね。

それこそライルが何をしようが、誰とくっつこうが、最終的に生きていようがくたばろうが、そんな「つまんない事」に興味など全くないってくらいに。


まあそれはそれとして、このシェールの支離滅裂ぶりは滑稽なんてもんじゃないですよね。

そりゃ誰だって心では思ってるでしょうが、この時点でナンバーズの登用批判を公言するのは、それこそスザクをラウンズにした、シャルルに対する皇帝批判ともなりかねないはずだけに。

これでは累を恐れて回りも近寄らないだろうなって。



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