[38103] コードギアス 追憶のエミリオ intermission 再会 |
- JIN - 2018年03月25日 (日) 12時54分
ハバロフスク。
西部での戦闘開始も反映してか、遠く離れているはずのこの地での動きもまたいささか慌しい。
その喧騒の中、両腕一杯に買い物袋を抱えてフラフラ気味に歩いている少女。
遮られている反対側からぶつけられ、思わず転倒しかかるところをすかさず支える青年。
その相手を見て、悪戯っぽい表情を作る少女。
「あー。アレキサンダーきょー。ありがとございまーす」
それを見て思わず苦笑の青年。
変装的なラフな姿だが、その気品はやはり隠せない。
「なんだ。君か」
「えへへ」
「バーンスタイン卿は?」
「あー。御嬢様は出発の準備中で、ミンが買出し中なんですー」
「御側付の君がわざわざかい?」
「はーい。これがミンの仕事でーす」
首を傾げるような青年。
その次の瞬間!
突如として響く轟音!
彼らのいる広場に向かって走ってくる中型車両。
「暴走!?」
すかさずミンを抱えて、道路脇に飛ぶアレウス!
散乱する買物袋!
「あー!? せっかくかったのにー!!」
その嘆きと同じタイミングで、その車に飛び上がる一つの影!
驚く周囲を他所に、オープンの座席のハンドルを抑え、車を停止させる!
注意をしながらも、その車両に近づく二人。
どうやら急病で運転中に意識を失ったらしい。
その車から離れる人影。
妙に小さい。
(アハト? いや、違う?)
その人影に対し、放たれる一言。
「あーれー? イヴゥ?」
「…ミン?」
「なにやってんのー。ここでー?」
「それはこっちの…ああバーンスタイン嬢と一緒のままだったか…」
「はーい。ミンはエミリーさまといつもいっしょよー」
その会話を聞きながら、口を挟む青年。
「知り合いかい?」
「はーい。まえ『アカデミア』でいっしょだったんですー」
「あの!? そうか君も、あの『アカデミア』の出身だったのか…」
驚きながらどこか納得といった表情。
そうした彼に対して改めて向き直る少女。
「アレウス・アルフォード・アレキサンダー伯爵?」
「そうだが。君は?」
威儀を正しながらビシッとした姿勢で向き直る少女。
「イヴ・ナーサリーライム。大公閣下から、伯爵の御指揮下に入るよう指示されました。以後よろしくお願いいたします」
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