[38102] コードギアス 慧眼のレド |
- JIN - 2018年03月25日 (日) 00時34分
やれやれ。そうきたか。
シュネーの奴は散々に愚痴ってたが、まあ奴の立場ならそうなるだろう。
それにしても貴族の奴と平民の俺、そしてナンバーズのラウンズの組み合わせとは、シュナイゼル殿下もやってくれる。
まあいろいろと理由はありそうだが、今後における「混合編成の試金石」という意味も当然あるだろう。
かといって別にシュナイゼル殿下は平等主義者というわけではないだろう。
殿下の行跡を見るに、おそらく殿下は効率主義者なだけだ。
おそらく皇帝陛下もそうだろうが、あくまで貴族だけで済むなら越した事は無い。
だが現在の戦力の消耗ぶりからすれば、平民やナンバーズもKMF方面に起用動員しなければ、到底追い付かなくなるというところだろう。
シュネーの家のように「戦場で流れるべきは尊い血」という主張については俺も敬服物だが、それでは戦線での消耗もまた激しくなり、それまたは当然に貴族の指導権力を低下させる。
そもそもKMFの開発自体が「前線での貴族の損耗を下げる」ための物であるが、敵もまた次第に戦力を向上させており、それによる貴族の損耗は再び高まりつつある。
それでも貴族どもは平民やナンバーズへの排他的な姿勢を止めないが、現在の貴族の損耗率の高さは明らかに、その代替的な物を他に求めざるを得なくなっているのが実情だ。
要するに「量」の話であるが、今はまだその前の段階。
現時点では今後のそれを睨んで、とにかく政治的なマイナスを上回るだけの「質」を持った連中を試験的に使ってみようというところだろう。
その意味で、今度のナンバーズの「質」はまさに驚異的。この前の叙任式の件もだが、まさに貴族どもの蔭口など無視して余りあるだけの物がある。
出身のエリア11はともかく、他のエリアでは「ナンバーズの星」として期待する物は多いらしく、政治的な宣伝としても、叛乱側に人材が走るのを防ぐに格好とすら言えるだろう。
その意味では、やはりシュナイゼル殿下の肝煎りの、噂のマリーベル殿下のグリンダ騎士団も似たような物か。
流石にあれにナンバーズの起用は無いようだが、孤児も含めて本国内の平民出身の人材は相当に起用されてるらしいしで。
その中でも今後において重要な役割を担いそうなのが、現在の俺も属す「インペリアル・ガード」。
ナイトオブラウンズの下部に属し、その手足となって働く予備部隊。
あのナンバーズほどじゃないが、これに任じられた事で俺もまああれこれと言われたが、考えてみれば特に驚く事でも意外な事でもない。
「親衛隊」とか「近衛隊」とかは、一般的に「栄誉のエリート部隊」という印象が強いが、実は目立たないもう一つの一面もある。
それは「正規の国軍では政治的に扱い難い人材の受け皿」という面だ。
貴族出身のシュネーもそうだが、俺みたいな若年層もまたそれに該当するだろう。
歴史的に見ても、そういう役割を負った例は多いらしく、平時では「お飾り人形」であっても、危急の際には「混成雑多」の様相も呈す。
特にブラックリベリオンにおいて、それまでのブリタニアにおける最強の遊撃機動戦力であったコーネリア殿下の軍が実質的に壊滅してしまった穴は大きい。
そのためそれまでは後詰で国内待機の予備戦力的だった、ナイトオブラウンズもまた各戦線において積極的に動かされており、今回の派遣もまたその一環。
とにかく俺たちの働きがまた何かの試金石になるというなら、それはそれで面白いのだが。
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