[37995] コードギアス 追憶のエミリオ intermission 両岸 |
- JIN - 2018年01月28日 (日) 15時07分
ジブラルタル。
古来より地中海と大西洋を結ぶ要地の中の要地であり、それを巡って多くの国々が争奪を繰り返し、旧ユーロピアにおいては五百人委員会の特別直轄地とされた程。
ブリタニア旧帝国による旧大陸侵攻以後は、ブリタニアの占領下に置かれ、それは現在においても継続中。
当然に旧帝国崩壊後は「返還」が叫ばれたわけだが、問題はどこに「返還」するのかという点。
旧ユーロピアは既に無く、それに代わる適当な受け皿は現地に無い。
なかでも強硬な主張を行っているのが「殲滅皇女」からの被害と犠牲の賠償も絡めた、隣接のスペインであるが、そちらも対岸で同じく現在はブリタニア占領下のセウタの管理も絡んで容易にならない。
一応現在は超合集国連合の直轄地に置かれているが、現在のブリタニアもまたその加盟国であるため、他地域との兼ね合いもあって、いまだにその統治は継続中。
また現在では旧ユーロピアやアフリカの各地域から追われた、旧名誉ブリタニア人などのブリタニア協力者たちがブリタニア本国に向かうための中継地ともなっており、その意味での役割も大きい。
その防衛を担うのは、一部で「超模範軍」とも呼ばれる、現在のブリタニアにおける新設の混成志願軍団。
それを構成するのは、世界各地からブリタニア本国に移住した、いわゆる「新移民」の子弟たちであり、その家族も含め、新たな土地での立場を確たる物にしようとする意気はとにかく高い。
「おい。昨晩攻めて来た連中どうなった?」
「捕まえた奴はいま尋問中だが、どうせまたいつもの『義勇軍』『解放軍』って奴だろう」
「は。どうせ今度もまたスペインの正規軍あたりが後ろにいんだろうよ」
「それにしても頭にくるぜ。昨日捕まえた奴。命は助けてやったのに『裏切者』と呼びやがった」
「まったくだな。そもそも連中が俺たちを追い出したんだろうが。今度来たらその時は遠慮なく皆殺しにしてやる」
「だが気を付けろよ。俺たちが戦うのを許されてるのは<グリーン・エリア>までだ。それを越えれば俺たちも処罰される」
「ああ。こないだ踏み越えて撃ち殺された奴もいたしな」
「まったくヴァインベルグ将軍も容赦が無いぜ」
「まあいうないうな。違反さえ無ければ甘い坊ちゃんだ。それで良しとしろ」
「それにしてもブリタニアも大したもんだぜ。ここに俺たちを置いてるのも政治的だけじゃなく実戦訓練も兼ねてるんだろうな」
「だから強いのさ。昔も今もな」
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