[37919] コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−12 全面介入 V |
- JIN - 2017年12月17日 (日) 13時28分
ダリア・エーリカ・ヤゲヴォ。
あのレイラ・マルカル(ブライスガウ)、クラリス・ビエルスと共に、一時期は「ユーロピア三名花」の一人と称された一人。
(もっともこの三人は生涯一度も顔を合わせた事は無いとも言われるが)
合衆国リトアニア首相、ジグムント・ウラジミール・ヤゲヴォの娘であり、同国精鋭騎士団の団長も務める。
年令はまだ二十二歳だが、優れた戦術家であり、サンクト・ペテルブルグ攻防戦をはじめとする、対ユーロ・ブリタニア戦において数多くの武勲を達成。
特に鹵獲した敵のKMFを柔軟運用してのゲリラ戦法は卓越しており、それを利した戦術効果により、ポーランドとの境界に位置するリトアニアの地政学的位置も利して、バルト三国全体の屈服後も、リトアニアの高度な自治権を承認させるに成功。
(これはヤゲヴォ家が旧リトアニア王家の血を引くため、ユーロ・ブリタニアの一員として組み込む意図もあったとされるが、彼女の系譜はポーランドと同君連合を組んだ嫡流とは異なる、傍流に属する)
スマイラス攻勢においては、その参加を拒否したため、ポーランド軍のヴィリュニス侵攻を受けてしまい、かつては婚約者でもあったという「ルブリンの天才放蕩児」ユーゼフ・ソビエスツキの謀略もあって、父と政府を守って現在のカウナスに撤退。
当然の事ながら、ポーランドに対する遺恨と反感は大きく、リトアニア内部における反ポーランド派の核とも目されている。
「ポーランド軍が遂に動いたとか?」
「ああ。ベラルーシ西部の駐留軍がまず動いて、ドニエプル線に到達のGC先遣隊を撤退させたらしい。そして本国の軍も後続しつつあるようだな」
「我らがヴィリュニスを堂々と経由して…ですか! あの外道ども!」
それまで平然としていた端正な表情が突如として憤怒に歪む。
それを嗜める父首相。
「落ち着け。で。ケーニヒスベルグの対応はどうだったね?」
「は。三提督との会見は良好。まずこちらの条件どおりで結構との事でした。詳細はこれに。それと」
「それと?」
「内々の情報ですが。どうやらエカテリンブルグが近々動くと」
「そうか。いよいよか…」
その父親の表情を見て怪訝な顔を浮かべる娘。
「おと…閣下。何か?」
「実は…ポーランドの使者が来ている」
顔色を変える娘。
「あいつら! どの面下げて! どうせ侵攻に協力しろなんでしょう! それも! 当然の命令調の!」
「まあ。そうだろうな」
「え? まだお会いになられてないのですか?」
「ああ。まずはお前と話をしたいということだ。だから戻るまで待たせてもらうと」
「私と!? まったく舐めた物ですね! 誰です! パデレフスキ!?」
「…ユーゼフだ…」
「!?」
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