[37906] コードギアス異聞 叙任のカレン FLAME−3 核心部分 |
- JIN - 2017年12月10日 (日) 20時47分
「で、要するに何があったんだ。あの二人に?」
「斑鳩」司令官室。
その中央のソファの上で、寝そべりながらピザを加えている緑の長髪の女。
その正面にはさっきの映像が繰り返し流されている。
「どうもこうもあるか。要するにナナリーがカレンを助けようとして、それをカレンが受け入れた。ただそれだけだ」
思い切り仮面とマントを椅子の上に放り投げるルルーシュ。
「なるほど。あの二人ならまあそうだろうな。それにしても大したもんだ」
「なにがだ?」
「いくらそういう理由でも、あの頑固なカレンがああいう方法を受け入れるとはな。ナナリーの説得力も大したもんだな。それにあの宣誓の文言。直接にブリタニアに忠誠を尽くす形は取っていないとはやるな。さしずめ『あの男』あたりの入れ知恵か?」
「馬鹿な! あの体力バカのあいつにそんな政治的な知恵などあるものか!」
妙に最初から苛立っているルルーシュに対し、実に揶揄な表情を投げるC.C.。
「だとすれば、やはりナナリー自身の発案か、それとも他にそういう政治的な助言をしてくれる相手がいるのか。いずれにしても結構な話じゃないのか」
「…」
「なんだ。妙に不機嫌だな。考えてみれば結構な話じゃないか。さっきおまえが言ってたように、これでカレンの身は表立っては守れる。それにカレンを守るのが目的なら、この前みたいな軽率な真似はナナリーも出来なくなる。これの一体どこが不服だ?」
「…」
「おまえ。もしかしてナナリーが自分で考えたかもしれないというのが面白くないのか?」
キッとした目で睨むルルーシュ。
「俺は! ナナリーに軽率な真似はしないで欲しいというだけだ! なるほど。今回は悪くない。俺の目的は最終的にナナリーを連中に受け入れさせることだ。そのためにカレンがブリッジ役になってくれるならば、より自然になるのは確かだろう。そのためにも!」
「カレンの信用は守る必要がある。だな」
「…そうだ」
「ちょっと気になるが。今のおまえは以前にもまして一方的に決め付け的だぞ。あるいはギアスの副作用が進んでるのか?」
「それがどうした」
「ナナリーに限った事ではないが、連中もまた頭と心がある存在だ」
「だから?」
「連中がお前の考えるように考えるとは限らんというこだ。それを忘れるな」
鼻を鳴らすルルーシュ。
「フン。連中に一体何が出来る。所詮は俺なしには何も出来ない連中だ」
「だといいがな」
「貴様。ずいぶんと連中に肩入れするようになったようだが。忘れるな。おまえが契約してるのは連中じゃなくて俺一人だ」
肩を竦めるC.C.。
「そうだな。おまえがたとえ今の反逆に何度失敗しようが私にとってはどうでもいい。私にとって肝心なのはお前一人の生存だ。つまりお前以外の誰がどうなろうが死のうが、とにかく私には一切関係ない」
「…ナナリーもか?」
「いまお前が言っただろうが。私が契約しているのはお前一人だ。ナナリーとではない」
「ナナリーも守れ!」
「断る。それはお前が考える問題だ。それに第一、それを抜きにしても私はお前一人で手一杯だぞ。お前、まさか自分が守り易い人間だとでも思ってるのか?」
「…」
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