[37798] コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−11 大中央騎士団 − Grand Central − U |
- JIN - 2017年11月09日 (木) 22時59分
オデッサ市。
ウクライナ南部方面軍司令部。
大会議室。
居並ぶ幕僚や隊長たちを前に、正面中央に立つ青年。
いかにも若いが、年長者も含めた、その一同に彼を軽んずる雰囲気は一切無い。
口を開く青年。
「挨拶は抜きにして単刀直入に言おう。諸君も知ってるように、今朝において旧ロシア領内に進行したベラルーシ連合軍がスモレンスク方面からの反撃を受けて大打撃を蒙った。同軍は現在急速撤退中。そして敵はそれを追撃中だ」
ざわつく一同。その中から出る質問。
「その敵とはなんです。ボルシェノフ将軍?」
「ポーランド経由の情報によれば、この『紋章』を付けていたらしい」
画面に映し出される「紋章」。華麗かつ複雑だが、二つの文字を浮き出させる構造になっている。
「G・C! ユーロ・ブリタニア大中央騎士団!?」
驚きの声もあるが、どちらかといえば弛緩した雰囲気が漂う。
「は。なんだ。例の四騎士団の生き残りの寄せ集めか」
「違うぞ。叛乱を起こしたミカエル騎士団は含まれてない。正確には三騎士団だ」
「確か最後は別の戦線で使い潰されたんだったな。ミカエルは」
「あれにはいささかスッとしたよ。なんせこのウクライナを一度は蹂躙してくれたんだからな。ミカエルの連中」
「生意気にも、もう一度攻めてきたが。てんでだらしなくなってたな」
「そりゃそうさ。死に損ないの寄せ集めじゃなあ」
苦笑めいた雰囲気。
そこに響くバンといった音。
正面の青年の只ならぬ雰囲気に再び引き締まる一同。
「我々がその『寄せ集め』と戦ったのは、もう二年以上も前だ。それ以後の情報は全く無い。軽んじるのは軽率だぞ」
はっきりしないが、様々なシルエットが映し出される。
「これがポーランド情報に含まれていた、敵の新型機だ。機体の輪郭はグロースターに近いが、駆動系はあのランスロットに近いと考えてほぼ間違いない」
完全にザワっとなる一同。
「それでその敵の追撃はどこまで!?」
「分からん。おそらくは再越境の末、少なくともドニエプル線までは進むと考えるべきだろうが」
「我々の役割は!?」
「現状ではあくまで警戒待機だ。特に黒海方面に…」
その時、急に切り替わる大画面!
通信士官の顔が大きく現れる!
『大変です! ボルシェノフ将軍!』
「どうした!?」
『北部方面軍が北上を開始しました! 現在ロシア領内に突入中!』
「なんだと!? 政府や総司令部はどうした!?」
『分かりませんが! どうやら停止や阻止命令は出されていない模様!』
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