[37726] コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY−10 ベラルーシ戦線 W (了) |
- JIN - 2017年10月12日 (木) 22時43分
「将軍! では戦争は避けられないのですか!?」
「私としても避けたい。しかしはっきり言って無理だろう。そしてそれは今ではない。二年前からそれは決まっていたのだ」
「それは!?」
「君も分かってるだろうが。現在におけるベラルーシやウクライナも含めた北ユーラシア全域における勢力分布は、ユーロ・ブリタニアと旧ユーロピアの解体以来、なし崩しに生まれた極めて流動かつ脆弱の不安定な代物だ。それを確定されるためには、どうしても一度は互いの力を明確に示し合わせねばならないという事だ」
「そのために戦争を!?」
「そうだ。ベラルーシの軍事政権が主張しているように、北ユーラシアの旧ブリタニア勢力が本当に『ドアを蹴れば崩れる腐った家』なのかどうか。それは蹴ってみなければ分からない。見掛け倒しかそれとも否か」
「薮蛇になる可能性は?」
「その可能性は確かにある。ウスリーにおける例のナイトオブリングスの情報もそうだが、もしこのまま放置して北ユーラシアがヴェランス大公家を中心とした完全な新国家として再編されれば、それこそ我々はまた圧伏されてしまうだろう。そう考えるならば、ここは今の内に叩こうとするのも選択肢として否定できまい」
「しかし!」
「君の気持ちは分かる。クリスの安否を気遣う思いもな。私とて息子の事を考えればシュゼットの無事も祈りたいところだ。しかし…」
その時に傍らの電話機から鳴る呼び出し音。
「私だ」
『大変です! 将軍! ベラルーシ軍がドニエプル線を一気に越えて旧国境まで押し出しました! 大貴族軍は一気に旧ロシア地域にまで後退! ベラルーシ軍も一気に国境を越える勢いです!』
「何だと!?」
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