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お気楽極楽なSS発表会

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[37720] コードギアス 戦場のライルB2 BERSERK-10『侍皇子と妄執の女…前編2』
健 - 2017年10月05日 (木) 11時36分

雛はKMFの調整を行っていた。今回は平原での戦闘……遮蔽物や高低差が少ない場所で砲戦型のローレンスがどう活かされるのかは分からない。念入りに調整をしなければ。

「良い機体に乗っているのね。」

外からした声に振り向くと、そこにはイレヴンの少女がいた。制服は『ユーロ・ブリタニア』の物だが……何よりもその制服でも強調される胸が雛の視線を奪った。

何、あれ?有紗やレイよりずっと大きいじゃない……いや、もしかして優衣やクリスタルより?

雛は機体を降りて、少女の前に立つ。

「誰?『ユーロ・ブリタニア』みたいだけど…」

「羽田美恵…大貴族軍アーネスト・N・シェーリン様にお仕えする者よ。騎士としても、女としても。」

「女として……なるほどね、良い物持ってるんだもの。他にもたくさんの男が群がるんじゃない?」



美恵はその言葉が癪に障った。実際にそうだ……この豊かすぎる身体に何人の男が言い寄ったか…『ユーロ・ブリタニア』にだっていたのだ。

「ええ、でもね…私はアーネスト様の物。この身体だってアーネスト様にしか捧げてない。」

「へえ、惚れてるの?」

「そうよ。リフレインの代金代わりで親に捨てられ、アンダーグラウンドで暴れて、15歳で政治家に捕まって貢ぎ物にされて…その相手がアーネスト様だった。」

「そりゃあ、散々ね。」

全くだ……そして、僅かでも親としての情を期待して会いに行ったらあの体たらくだ。

「アーネスト様は私をE.U.市民として扱ってくださった……そんなアーネスト様にお願いしたの。抱いてって。」

「大胆な15歳ね…」

「だって、汚いおっさんより若い人が良いでしょ?それからよ、あの人の愛人で、メイドで、部下になったのは。ついこの間、親を殺したの……」

雛の顔が変わった。何かこわばったようだ。

「あんた、自分の親を殺したの?」

「親だと思ってた別物……会いに行ったらなんて言ったと思う?『反省しているからアーネスト様に紹介して。』、『やり直そう』、よ?『ごめんなさい』の一言も無し。だから、殺したの。私の親はリフレインを買うと決めた時に死んだの。」

「なるほど…そんな親、死んで当然だわ。殺したあんたは偉いわ。私もね、親が戦争で死んで盗み、殺し何でもやったわ。だってのに、馬鹿なゴミ共は『誇り』とか『魂』とか、『裏切り者』よ?」

話に聞いていた通りだ。彼女は、本当に生きるために必死だった……自分のように。

「大体、戦ってどうなるの?この火傷は元に戻る?魂や誇りで元に戻ると思ってるんだから。」

全くだ……他のゲットーのイレヴン共も彼女が言っていたようなことばかり。役に立たない物ばかり大事にする………

「そうね、他のゲットーの奴らも私に文句言ってるけど……親に捨てられた子供がどうして日本人の誇りを持てるのかしら?」

「分かる。10歳のガキが自分で生きるために同族殺しやったのも裏切りよ?戦争前の交通事故や強盗で死んだのも同族殺しなのにね。」

「それで、馬鹿な奴らのせいで私達まで『死ぬのが大好き』なんて言われる。」

雛が再び返す。

「じゃあ、あいつらのお望み通り殺せば良いわね。」

「ええ、たくさん殺してあげましょう。死ぬのが大好きなんだもの。」



アーネストは美恵と今後の方針を話すために探していたが、川村雛との会話を聞いた。

あれほどの憎しみを溜め込んでいたのか…美恵………普段私には文句程度しか言わなかったあの娘が…

彼女の祖国を奪った身で考えるのもなんだが、自分にもしもの事があれば彼女はどうなるのだろうか?………何を縁起でもない。

アーネストはくだらない可能性を消し去り、美恵を呼ぶ。

「美恵、お前の機体の調整がまだだろう?」

「アーネスト様。」

こちらに気付いた美恵が歩み寄り、腕を絡ませる。

「軍務中だぞ……」

「良いじゃないですか。」

「良くない………分かった。今夜、来い。」

美恵の表情が若干赤面し、「はい。」と答える。

目の前にいた川村雛がため息をつき、アーネストは敬礼をする。

「川村雛だな?『ユーロ・ブリタニア』大貴族軍のアーネスト・N・シェーリンだ。」

「あんたが?へえ……本当に若いわね。二十代後半ってとこ?」

「ああ、そうだ………お前のその顔半分は聞き及んでいる。日本の誇りとやらに興味がないのもそれが原因だそうだな。」

「聞いてたの?貴族様ともあろうお方が女の立ち話を?」

「聞くつもりはなかった……」

雛は「ふーん」とだけ返し、「ま、良いわ。」と締めくくる。

「一言、その子……完全にあんたに依存してる節あるわ。」

そう言って、雛は退場する。



シルヴィオはライルと通信をしていた。

〈川村雛はどうですか?〉

「態度に問題はあるが、腕は申し分ない。先日、親衛隊数人と模擬戦をやらせたら全勝だ。」

〈態度は大目に見てあげてください……生きるのに必死だったのですから。〉

「……その生きるのに必死な女が収入が良いというだけで一番危険な軍人になるという矛盾を抱えているのにか?」

その指摘にライルが押し黙る。どうやら、ライル自身もそれに気付いていたようだ。

「やはり、気付いていたか。で、どう思う?」

〈……ここ最近、ウェルナーの世話を焼いているのです…彼女は。〉

ウェルナーが?確かに、ここ一年近くは積極的に自分で歩くように務め、最近は杖を必要としなくなる時間が増えてきたという。

「取り入る、にしては相手の継承権が低すぎるな。」

〈取り入るのでしたら、今頃私はお払い箱です………多分、昔自分も似たようなことがあったから苛立ったのでしょう。〉

なるほど……所謂同族嫌悪か。

「主君としての意見は?」

〈正式にウェルナーの側で仕えてあげれば、彼女自身何か良い傾向が現れるかもしれません。では……〉

「ルーカスとマリーベルには用心しろ。奴らならお前達ごと敵を滅ぼしかねない。」

〈でしょうね…〉


[37721]
健 - 2017年10月05日 (木) 11時37分

JINさん

まあ、ゼラートみたいな人間に言わせれば、9歳の子供に頼らないと何も出来ないゴミ共でしょう。

[37722]
Ryu - 2017年10月05日 (木) 19時24分

ウェルナー付きの武官にとライルの提案があったが、結局雛は受け入れる事無く引き続き専属KMFパイロットとして戦うのだろなと。

でも「継承権の低い皇子の護衛役など稼ぎ時が無い」と判断して丁重に断ったのに、自分の中で何かモヤモヤするものがあったりと。



次あたりで登場のゼラートですが、彼もまた「幼少期の頃から今に至るまで自力で生き延びてきた」「その過程で泥水も啜ってきた」「自分の生まれた国への帰属意識の薄さ」という点で雛と似ているor彼女のバージョンアップ版だなと。

女か男かの違いや、年季の違い(雛は10歳の頃からの約8年、ゼラートは4,5歳の頃からの約20年)、すぐに覚悟を決める事が出来た雛と違い、当時のゼラートは自分が「ブリタニア貴族」であるという事を中々捨てられなかった(という設定)という違いはありますが。

もし実際に対面して話し合えばすぐに意気投合するか、似ているからこそ相容れないと同族嫌悪に陥るかの極端な2択になりそう。

シルヴィオvsゼラートの同い年かつ戦士としても指揮官としても一流同士の対決もそうですが、こちらの対決も気になる所。

[37724]
H&K - 2017年10月08日 (日) 17時47分

こんばんは、H&Kです。

遅ればせながら感想を送ります。

雛と美恵、似てるようで似てない過去と思想を持つ二人は意気投合しましたが、今回の話で二人の違いが明確になりました。

クリスタルの『隠し事』や美恵のアーネストに対する依存に気づいたり、ウェルナーの世話を焼くなど、荒んでいる心の中にまだまともな部分が残っている雛。

対して美恵は、愛情と依存の対象であるアーネストがいなくなったら、心からまともさが無くなり闇に堕ちる危険性を孕んでいる状態。

アーネストの死亡フラグにも聞こえる発言といい、鬱展開になりそうでとても不安になりました。



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