【広告】Amazonから最大10%ポイントアップ新生活応援セー日開催中

お気楽極楽なSS発表会

(ログ数の節約のため、管理人からの返信はありませんが、全ての作品に眼を通しています)

ホームページへ戻る

名前
メールアドレス
タイトル
本文
URL
削除キー 項目の保存


こちらの関連記事へ返信する場合は上のフォームに書いてください。

[37692] コードギアス 追憶のエミリオ  intermission  傍観
JIN - 2017年09月21日 (木) 00時03分

オーガスト大宮殿内控の間。


ここでは大広間に入れない関係者が待機状態で、広間内部の模様を大スクリーンで眺めている。


その中に映る煌びやかな舞踏会の風景。

そこには数多くのカップルが優雅なダンスを見せている。



「キャー! 見てみて! エミリィ様が映ってる! 踊ってる! 綺麗だわ! 素敵だわ! 最高だわ! ね、ね、イルザ! ケイト! でしょでしょ!」

「ほんと凄いわね。あのヴァルトシュタイン辺境伯の力強さと速さに全く遅れもしないで互角に付き合ってる」

「『踊るように戦い』『戦うように踊る』っていうけど。ほんとエミリオ様がまさにそれよねえ」

「でしょでしょ! あーん! これをアラスカの人たちに見せてやりたーい! アメリア様なんかにこんなマネ出来るかってー!」

「あんたがそんなだからアラスカを追い出されたんじゃないの?」

「でもまあこっちに来たのは正解だったわよねえ。アラスカなんかもう大した事ないし」

「でしょでしょ! あーん! どうしてミンはあっちに行けないのー!?」

「あんたがそんな風にキャーキャー騒ぐからでしょ!」

「そうそう。仕事なんかそっちのけでねえ」

「うう。でもでもお。やっぱエミリィ様はドレスより騎士服のほうがいーなー。カッコいーしー」

「それで? その時は誰がドレスで踊るの?」

「ま・さ・か。あんたじゃないわよねえ?」

「やっぱ。そこはソフィア姉様よねえ」

「ちょっとちょっと。もうその呼び方は駄目でしょ。ミルザ。『ソフィア様』って呼ばなきゃ」

「うーん。でも見たいわよねえ。御二人のダンス姿」

「そうそう。兄君様とはドレス。妹君様とは騎士服。うう。なんかゾクゾクしちゃうわねえ。それって」

「じゃあミン。後でエミリオ様に。お願いねえ」

「あーん。そーんなー」



「うーん。ドレス姿までは似合っても、やはりダンスまでは無理みたいねえ。レイナ様」

「ほとんど一夜漬けみたいだったから」

「でも一応は伯爵様なんでしょ。それじゃやっぱり不味いんじゃ」

「それにしても凄いわね。アレキサンダー伯爵。そのレイナ様をあそこまで見事にフォローされてるなんて」

「そうそう。少なくとも邪魔扱いされないまでには抑えてらっしゃるわ」

「そこがあの方の凄いところよ。この度の戦場でもヴァルトシュタイン辺境伯を見事に支えられてるとも聞くわ」

「ああ。そういえば伯爵がサンクトペテルブルクから出発する前に御一族の壮行会があったそうだけど、そこで婚約者候補の方々と踊ったそうね」

「聞いた聞いた。確かそこにヴァイトランド家の御姉妹とヴラド家のグリシーヌ様も参加されていたとか」

「それぞれにドレスの腕前や相性を競わされたみたいだけど、一番評価が高かったのは、誰だと思う?」

「焦らさないでよ」

「ごめんごめん。グリシーヌ様よ」

「ええ!」

「そんな!?」

「だってあの方って『見た目ばかりで中身は空っぽ』だって?」

「伯爵に関して以外はね」

「どういうこと?」

「グリシーヌ様ってね。徹底的に伯爵に合うように御教育されてるらしいのよ。生まれた時から。いえ。あるいは生まれる前から」

「だから?」

「それ以外は全く必要無いってこと?」

「そんな。そんなことって…」



「あーあ。まったく。我が主人だけど意地が悪いわねえ。イース様ったら」

「え?」

「わかんない? 良く見てよ。あの動き。相方のベル様をわざと振り回そうとか。足を踏ん付けようとかしてばっかりじゃない」

「そういえば」

「でも凄いわねえ。ベル様。イース様の意地悪に対しても、それ以上の速さと足捌きで巧みにかわしてるわ。それも。あくまでリズムに乗って」

「そうですね。まるで天使か妖精みたい」

「ほんと。相手構わずの『稚児』だなんて陰口を言われてる子なんてとても思えない。広間の人たちも声が無いって感じ。クク。だからイース様の御機嫌が悪いのかしら?」

「あの。私たちもベル様と一緒に?」

「そ。サンクトペテルブルクに戻れば、私たちと一緒のアリューシア屋敷に入る事になるわ。ま。ベル様と離れたいなら別にいいけど」

「そ、そんな。でも、ソアラ様が…」

「ラックモルデ男爵? クク。見てよ。広間の中のあの顔」

「え?」

「まったく。御二方のダンスを見てる、あの蕩け切った顔。夕べずいぶんコッテリ可愛がられてたもんねえ。それも。二人がかりで」

「ええ? す、すると。私たちも?」

「イース様は可愛い娘に目が無いから。特にあんたみたいな子なんか、直ぐに目を付けられて引っ張り込まれちゃうわよ」

「そ、そんな…」

「だから言ったでしょ。嫌ならやめなさいって。クク。私も実は楽しみなのよねえ。あの可愛いベル様のお情けも頂けるんじゃないかって」

「ええ。でもあなた方は」

「身分があるって。フン。私たちがイース様にお仕えさせられてるのは、あくまでそれぞれの家の事情よ。あのアリューシア家にも一応の関係をつないでおきたいってね。いわば捨て駒。だから実家が何を言おうが知ったこっちゃないわ。でも…」

「でも?」

「ベル様に抱かれるのも良いけど。ベル様とイース様の御手合わせを見られる方がもっとワクワクしちゃうわねえ。楽しみ楽しみ」

「え。すると」

「そ。まだ御二方の間ではやられてないみたいねえ。大丈夫大丈夫、順番待ちで寂しい間は私たちが思い切り相手しちゃうから」

「そ、そんな…」

[37703]
Ryu - 2017年09月23日 (土) 13時13分

もはや「公爵夫人」というより「アレウスの相手」としての価値しか無いグリシーヌが哀れに思えてきたなと。本人はその事に何も気づいて無いでしょうが。

一応将来的には成就するとはいえ、仮にそうならなかった(アレウス夫人にヴァイトランド姉妹のいずれかがなった場合)ら、最悪自害しかねないんじゃないかと。「もう自分には何の価値も無い」と。

アルテナに関する「秘密」の交換条件として、ファシリアは当然としてヴラトゥカも最終的にはこっちに靡くと見て、生まれる前から娘をアレウス用に「調整」しているという事なのか。

[37704]
JIN - 2017年09月23日 (土) 20時38分


以前にも言いましたように、まさに貴族社会の「ややこしさ」の縮図になっているアレキサンダー一門ですが、グリシーヌみたいな純粋培養の「人形」もいるだろうということで。

またグリシーヌについては「歌を忘れたカナリヤ」を題材にした名作『地球はロボットの墓場』も意識しています。


ヴァイトランド姉妹については、妹が一緒に入ればいいとか言ってますが、いくらブリタニアでも「姉妹同室」はたとえ正室と側室であってもいささか外聞が悪いというケース。

エーリカとジョ−ディのエイゼンシュタイン姉妹も父方としては異母姉妹だが母方としては従姉妹になるというケースで、これがいささか微妙に反映しているとしていますが。



Number
Pass

ThinkPadを買おう!
レンタカーの回送ドライバー
【広告】Amazonから最大10%ポイントアップ新生活応援セー日開催中
無料で掲示板を作ろう   情報の外部送信について
このページを通報する 管理人へ連絡
SYSTEM BY せっかく掲示板